本研究室では物理学、特に物性物理学(物性論)の理論的な研究を行っています。物性物理学とはいろいろな物質の性質を理解し、物質中でおきる現象を物理学的観点から明らかにする学問です。筑波大学大学院数理物質科学研究科物理学専攻に属しています。特に、広い意味での電子論について理論的に興味深い現象を発見しその物理を理解すべく、解析的、トポロジカル、ならびに数値的方法をもちいて広い分野にわたった研究をおこなっています。
研究は論文にして公開しなければ0点です。いくら大理論を勉強して理解したとおもってもこれまた0点。逆に、どんなに小さなことと思えてもまだ誰もやってないことなら、きっとそこには大事にすべきものがあるはずです。同じことを人と競争してやるのも研究ですが、「個性」つまり、あなたにだけ、君にだけ、そして私にだけしかできないことをやり、それを世の中に公開する。それが研究です。勿論何をやるのかが第一義的に重要であることはもちろんです。意義のないことを延々とやってもこれまた全く無意味です。そしてそれ以上にその意義あることをやるためには、何をやらないのかが大事でもあります。光陰矢のごとし、無限に生産的ではいられないはずです(タブン)
研究対象の一つの例:グラフェンと呼ばれる単層炭素による2次元ハニカム格子上の電子は固体中の相対論的Dirac粒子と呼ばれます。この系に磁場を書けると図のようなフラクタル構造がエネルギー準位にあらわれます。この系における量子ホール効果はDiracの負のエネルギーの状態を全て占有することで生ずる多体問題となります。その解析にはベリー接続とよばれる量子論固有の幾何学的位相が重要な役割を果たし、特にベリー接続として誘起される非可換ゲージ構造と位相不変量が議論の焦点となります。詳しくは論文等をご覧ください。
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