Select Language
アクセス数 Since 2009
今日 : 221
昨日 : 280
今月 : 5835
総計 : 1614439
平均 : 520
Who am I ?
初貝 安弘
筑波大学
数理物質系物理学域長
筑波大学大学院
数理物質科学研究科
物理学専攻 教授
物理学専攻長
初貝写真
Yasuhiro-Nov11-2009
会議 & 研究会
グーグル検索:初貝
TAG index
ResercherID: Y. Hatsugai
Project
メインメニュー

Web 記事 - 2次元固体の安定性とリップル

2次元固体の安定性とリップル

カテゴリ : 
研究解説:  » グラフェン
執筆 : 
hatsugai 2009-12-18 8:33

グラフェンとは炭素原子が平面上で蜂の巣の形に規則的に整列したものですから、炭素原子が規則正しくならんだ絨毯のようなものです。もちろんこの 絨毯の大きさは有限ですが、電子間の距離を単位にしてはかれば十分に大きいので、無限に広がった規則的な原子の絨毯です。このグラフェンは別に低温にしな ければできないわけではなく、常温で作成されました。具体的にはscotch tape method (日本語ならセロテープ法) といわれる怪しげな(と当初はおもわれた)方法で実際につくられました(Novoselov, Geim 他)。常温ですから当然熱ゆらぎも無視できないはずですからグラフェンはきわめて安定な物質と考えられます。ところが理論的には古くから完全な2次元 固体は安定に存在できないと信じられていました。規則正しい周期的な構造が存在するためには、どこかで偶発的に生まれた乱れが全体に広がってしまわないことが必要ですが、2次元という低次元性の為、無限と思われるぐらいに大きな2次元結晶では、これらの勝手にうまれたゆらぎはどんどん増殖してめちゃくちゃな状態になってしまうと予想されていたのです。しかし、論より証拠とはこのことで、いくら理屈を言ったところで、現実に作ってみせたのですから、文句の言いようがありません。理屈の方がどこか間違っていたか、議論が不十分だったのです。

 実際の単層のグラフェンは完全に真平らではなく、下の図のようにうねうねしていると考えられています。2次元は2次元でも3次元の中に埋め込まれた2次元系ですので、このようなことが可能なわけです。この「うねうね」構造はリップルと呼ばれ、単層グラフェン、特に基板等何かの上に乗っていないという意味で、free standing なグラフェンの特徴的構造と考えられています。今日では、グラフェンでは、2次元周期系ではあるものの、このような3次元方向の変形からくる余分な自由度がある種の熱浴として働き、2次元格子全体がめちゃくちゃになるのを防いでいると考えられています。さらにこのリップルはグラフェンの電子状態に関しては、ランダムゲージ場として働くとかんがえられており、グラフェンの物理をより一層興味深いものとしています。

 事実は小説より奇なり(Fact is stranger than fiction)ではありませんが、現実は常識を時々そして大事なところで覆してくれます。物理屋たる者、定説をそのまま信じてはダメですね、ロシア人は確かにガンコでシツコイ!(Road to Stockholm がホントかどうかは別にして)

トラックバック

トラックバックpingアドレス http://rhodia.ph.tsukuba.ac.jp/~hatsugai/modules/d3blog/tb.php/20
モバイル機器でご覧の方
現在の時刻
今年もやります。まずは量子力学3. 冬は 統計力学2. 平成30年の新年あけましておめでとうございます。今年もあと164日!
最新ニュース
投稿者 : hatsugai 投稿日時: 2018-06-20 11:30:51 (93 ヒット)

Our paper on ZN Berry phases for symmetry protected phase (SPT) has been published in Physical Review Letters, T. Kariyado, T. Morimoto and Y. Hatsugai, "ZN Berry phases in SPT phases". Have a look at. Also see EPL in 2011 for the ZN quantization.


投稿者 : hatsugai 投稿日時: 2018-06-09 07:26:18 (85 ヒット)

Zongping Gong (Univ. of Tokyo) will talk on the topological phases of non-hermite system on July 11 (2018) (We have updated the typo (date and time) in the poster). It starts from 15:00. Join us.


投稿者 : hatsugai 投稿日時: 2018-06-06 15:25:13 (66 ヒット)

On June 13 (2018), Nobuyuki Yoshioka (Univ. of Tokyo) will give a talk on the physical application of the machine learning "Machine Learning Disordered Topological Phases by Statistical Recovery of Symmetry". Join us.


投稿者 : hatsugai 投稿日時: 2018-04-20 18:51:10 (193 ヒット)

ありがとうございました: 平成30年度科学技術分野の文部科学大臣表彰,科学技術賞(研究部門)初貝安弘「トポロジカル相でのバルクエッジ対応の研究」 [PDF]
筑波大学広報


投稿者 : hatsugai 投稿日時: 2017-12-26 01:33:43 (414 ヒット)

最近の研究成果トピックスとして2017年度の科研費ニュース vol.3 にトポロジカル相とバルク・エッジ対応の関係の解説を我々の研究の背景として書きました。予備知識は不要ですのでご興味のある方はご覧下さい。「トポロジカル物質におけるバルク・エッジ対応」


    検索
    バルク・エッジ対応
    [0] バルクとエッジ
    [1] 集中講義
    [2] 原論文と解説
    [3] トポロジカル秩序とベリー接続:日本物理学会誌 「解説」 [JPS-HP] [pdf]
    [4] "Band gap, dangling bond and spin : a physicist's viewpoint" [pdf] [Web]
    トポロジカル相
    [0]昔の科研費
    科研費 1992年度:電子系スピン系におけるトポロジカル効果
    科研費 1994年度:物性論におけるトポロジーと幾何学的位相
    私の講演ファイルのいくつか
    [1] MIT, Boston (2003)
    [2] APS/JPS March Meeting (2004)
    [3] JPS Fall meeting, JAPAN (2004)
    [4] APS/JPS March meeting (2005)
    [5] JPS Fall meeting (2005):Entanglement
    [6] Superclean workshop, Nasu (2006)
    [7] MPIPKS, Dresden (2006)
    [8] KEK, Tsukuba (2007)
    [9] ETH, Zurich (2008)
    [10] ICREA, Sant Benet (2009)
    [11] JPS Meeting, Kumamoto (2009)
    [12]HMF19, Fukuoka (2010)
    [13] NTU, Singapore (2011)
    [14] ICTP, Trieste (2011)
    [15] Villa conf., Orland (2012)
    Web記事 カテゴリ一覧
    最新のエントリ
    Web記事 アーカイブ